競技会講評
11月13日 イーストジャパン選手権大会/ DSCJスタンダード C級 講評
ダンススタジオモリモト/森本 康成 先生
		

■第1予選 第2予選

本日最初のスタンダード競技で多数出場されています。第1予選を見ますとそれほど大きな
ダンス力の差、というようなものは感じません。勝ち残るかどうかは微妙な差異に左右され
るでしょう。

まず気になるのはやはり「組み方」です。ボディのコンタクトを男性の右ボディで感じよう
としすぎるためか、左ボディが引けて左手が前方にはずれてしまい、その結果右手は女子の
背中に収まらない、という男性が大多数、と言っていいくらいです。そのため女性は左サイ
ド側にシェイピングを取る感触を男性から得ることができません。そうなると女性のシェイ
ピングは取って付けたようなものにならざるを得ません。
多くのカップルがそのような欠点を持っていますので、少し意識を高めて修正を心がければ
競技会で相当有効に作用するものと思います。

■第3予選

《ワルツ》
H1
54番 早く踊り始めようとしたのか、音楽とは無関係に踊り始めてしまいました。
56番 首が苦しそうです。
31番 腕の形はよいのですが、堅そうです。そのため下半身が遅れます。
27番 枠がなく、腕・肩がぶれてしまいます。
44番 落ち着いて踊っていますが、全体に平板です。ワルツらしいメリハリを考えてみてく
   ださい。
58番 男性が右半身で女性に寄って組んでいるため、特に左回転でどんどんよれて、ずれて
   行ってしまいます。
29番 形がありません。シルエットが見えません。右肩がかぶりすぎです。
51番 男性の手が前に行ったことに対応した分しか動かないため身体が進んでいきません。
H2
73番 右腕が抜けてしまいます。
77番 きれいな姿を持っています。しかし全体にややフラフラした印象です。もう少し脚の
   動きに強さが感じられるようならもう一段階上でしょう。見栄えはします。
83番 男性の左手が動こうとするたびにはずれていく方向に作用するため、もうひとつきれ
   いさに欠けます。
63番 ショルダーラインを保とうとする感じはあります。ライズアンドフォールはぐちゃぐ
   ちゃで、フットワークの間違いが多々見られます。前進時頻繁に2歩3歩と連続でヒー
   ルから出ていたりします。
78番 形は気をつけています。曲の後半は普通のカウントが取れていません。意識が音楽か
   ら離脱しています。
H3
102番 良く踊っています。フレーム、アームワークのずれがときどき目に付くのが惜しい
    ところです。
87番  ベタ足です。ベーシックフィガーでトー、ボールが使われる、という意識を再確認し
       てください。
97番 98番  
    両組とも男性の左手がはずれて右肩が上がる傾向にあります。右側で女性にくっつこ
       うとしているため、右回転するとどんどんよじれてしまいます。左回転すると二人が
       どんどんはずれます。
110番 傾向的には97番98番と同様ですが程度的にはややマシです。
107番 比較的落ち着いて踊っています。もう少し下半身に運動性があると良いのですが。
H4
130番 形は良いのですがやや脚が硬い感じです。
117番 ジュニアのときよりも落ち着いて踊っています。男性の腕は明らかに変です。
131番 やや身体の前面に張り付いてしまいます。
114番 良い姿を持っていますが、踊り進むと両サイドが緩くなって落ちてしまいます。
138番 腕がぐちゃぐちゃします。腕を動かすことと運動性が意識の上でくっついているよ
    うに見えます。

■第4予選

《ワルツ》
H1
54番 枠の乱れが目立ってきました。ランズアンドフォールがまとまりません。
56番 トーンが抜けて、バランスが下がってきてしまっています。
66番 全体に緩くなっています。
H2
132番 上体で押して行く動き方のため、詰まって見えます。
117番 だんだん動きは落ち着いてきました。
99番  動こうとはしていますが男性の左サイドが逃げていくので、がんばって動かそうと
    するときれいに見えません。
102番 落ちついて動いています。自分の感覚が保持されています。

《タンゴ》
H1
90番  音楽のフレーズを気にしたのでしょうか、ポイズ・フレームなどの準備ができない
    まま踊り始めてしまいました。
54番  男性の首が傾いてきました。
71番  グリップの位置がはずれているため、どの方向からもきれいに見えません。
77番   上体に取られて脚の力が発揮されません。
76番  姿は比較的良いのですが、やや動く力が上に抜けてしまいます。
H2
110番 男性の頭が前にかぶってきています。
107番  男性の頭が前に行ったり腹部が前に行ったりで不安定です。
118番 やや小さくなってしまいました。カップルの左右方向の大きさを意識するとよいで
    しょう。
114番  男女の身長差が少しあって難しいとは思いますが、もう少し枠の形をきれいに作り
       たいところです。
116番 しっかり動こうとはしていますが、やや上体が硬くなります。アクションをつけよ
       うとしたとき、息を吸って弾みをつけようとする表情が緊張してしまうのも気にな 
       ります。

■準決勝

《ワルツ》
55番  男性の右の枠が抜けてしまいました。
131番 良く動いてきましたが、上体からバランスをこぼしそうなところもあります。
117番  動きは良いのですが、枠はダメです。
54番   動きのつながりはあるのでそれほど気になりませんが、音楽とは無関係に踊ってい
    ます。もう少し冷静に音楽を聴く感覚を養ってください。
102番  冷静な精神状態が見て取れます。
123番  カップルの身長差がありますが、よりきれいなシルエットを意識してください。

《タンゴ》
48番   しっかり動き始めましたがフロアクラフトが良くないです。最初の長手方向に始め
    て、フロアの真ん中あたりに来た後、逆の長手方向に戻って行ってしまいました。
71番  全体にばらついてしまっています。
116番 疲れてきたのか両サイドが抜け気味で、下がってしまいました。
32番  形、動きともコントロールを失い気味です。
99番  落ち着いて踊ってはいますが、手の位置が変でずれてしまっています。
    女性のお化粧はラテンっぽいかもしれませんが、きれいに仕上がっています。

《スローフォックストロット》
54番  元気良く踊り始めましたが、音楽、リズムとは無関係です。
48番   形が壊れて来ました。
131番  少々疲れたのか前方向につまり気味です。
71番   乱雑になってしまいました。
87番   やはり乱雑になってしまっています。
116番  疲れましたか。形がなくなってきました。
56番   スローフォックストロットは比較的落ち着いて踊れていますが、動きの強さが不足
    しているためここでは目に入ってきません。

■決勝

《ワルツ》
102番  予選の段階から落ち着いて自分のペースを守って踊って来ました。もう少し伸びや
    かな動き、スウィングが発揮されるように研究してください。
117番 正しいホールドの作り方を勉強してください。折角の良い動きがもったいないと感
       じます。
116番  男性の右サイドが抜けてしまいます。男性の右手の指が大きく開いているためきれ
       いに見えません。注意力である程度修正できることですので、ぜひ改善してください。
131番  やや両サイドが下がってしまって、横方向への動きの伸びが見えなくなってしまう
       のが難点です。
54番  音楽を聴きましょう。年齢的にも将来性のあるカップルですから、この競技で他の
       カップルが音楽的に優れているか、という事とは別にしてよく研究してください。
48番  男性の左サイドが逃げ気味です。

《タンゴ》
102番  安定しています。
117番 脚の動きの良さはあります。
116番  やはり男性の右サイドに気をつけましょう。
131番  やや身体の前面にくっつきそうですが、がんばって動いています。
54番  タンゴになると男性の顔が前に入って、顎をゆがめる癖があります。
48番  前述のとおりフロアクラフトに問題があります。次回の競技では確実に修正してお
    いて下さい。

《スローフォックストロット》
102番  やや脚が重くなってきました。
117番 フェザーフィニッシュのイメージをはっきりさせるように意識すると良いと思います。
116番  疲れてきたようですが、なんとか上体の力で我慢しようとしています。下半身にも
    意識が行くと良いのですが。そういった場面での注意力の発揮の仕方などもふだん
       から考えておくと良いでしょう。
131番  がんばって動いていますが少々動きのつながりが悪くなってきました。
54番  タンゴほどには悪癖が目立ちません。
48番  スローフォックストロットではがんばった感じが見えてきません。

予選のワルツが全体にボソボソした感じでした。伸びやかな動きが欲しいと思います。
ナチュラルターンの基本的ライズアンドフォールをしっかり見直してください。

タンゴはQ&Q&QQというような速いカウントのフィガーになるとほとんどのカップルが上方向
に力が浮いてしまってバタバタしてしまいます。頭の水平方向の軌跡を意識して練習してみ
てください。

スローフォックストロットではやはり、スウィング、動きの伸びやかさ、を意識していただ
きたいと思います。
具体的にはフェザーフィニッシュとその前後のつながり、を重点的に練習すると良いでしょう。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
ページのトップに戻る