競技会講評
11月13日 イーストジャパン選手権大会/ DSCJスタンダード D級 講評
ダンススタジオモリモト/森本 康成 先生
		

■第1予選 第2予選

会場使用の面からも競技進行は時として時間との戦いになります。
予定時間のとおりに進行できていない場合でも出場される方は出遅れ等のないようにご協力
ください。
出遅れないで準備できているカップルがいる以上、ジャッジも出遅れたカップルに好意的に
なれないのは仕方がないことだと思います。
出場者全体でみて、それほど大きな力量差はありません。良い競技会のためにも不注意で不
利になるようことはできるだけ回避していただきたいと思います。

《タンゴ》
 「組み方」についてはC級の場合と同様です。
このクラスではワルツよりもタンゴのほうが差がつきやすいように感じます。
踊り始める際、男性の首が前方に取られるような感じになるカップルが多数見受けられます。
ほとんどの方がそうしていることに気付いていないのではないでしょうか。注意力で修正で
きます。
 どのフィガーにおいても身体の前後方向の力で動こうとしているように見受けられます。
タンゴの場合、横方向の運動性・制御を重視しなければなりません。
全体にフットワークが雑です。プロムナード系のステップでヒールから出せない人が男女と
も多くいます。
チエイスなどは誤ったフットワークのほうが多いくらいです。クローズドプロムナードでの
足の使い方を指導者とともに詳細に確認してみてください。
 「男性が両サイド側に意識を持って首が前に入らないように注意」と意識するだけでも
このクラスの予選での評価はかなり変わって来るでしょう。

《スローフォックストロット》
 この種目ではタイミングに関してかなり甘いといわざるを得ません。とりあえず急ぎすぎ
てバタバタしてしまわないように注意すべきでしょう。
 ほぼ全てのカップルにおいて、フェザーフィニッシュが見えてきません。

■第3予選

《タンゴ》
H1
158番 肩に力が入りすぎています。そのため頭、首周りもかたく見えます。
181番 ショルダーラインは比較的良いのですが、やや動きが弱いです。
164番 腕・肩に乱れがあります。

H2
213番 肩・肘の乱れはありますが、この中ではしっかり動いています。
204番 上体の乱れが目立ちます。
221番 男性の頭がすこしずつ前にかぶっていきそうになっています。そのため女性の上体
    も苦しそうです。
189番 男性が上を向きすぎて、首が曲がってみえます。さらに変に口をあけすぎているた
       め印象が良くないです。

《スローフォックストロット》
H1
123番 良く踊っていますが、やや男性の右側が詰まった感じになりがちです。
161番 身体のトーンがなくなって、全体に下がってしまいました。
175番 シルエット、シェイプが見えてきません。
181番 タンゴよりも動こうという意志はみえます。男性の右肩に疲れが出ています。
180番 しっかり動こうとしています。しかし動作が首の感覚から起動されるのでモソモソ
      とした印象です。
H2
195番 ショルダーラインは比較的良いのですが、動きの強さが足りません。
189番 タンゴよりは動けています。
213番 この組もフォックストロットのほうが落ち着いていますが、少しトップが狭くなり
       そうにも見えます。
214番 動けていると思いますが、もう少しシェイプをはっきり見せられるとよいでしょう。
202番 枠がなくなって全体にバラバラになりそうです。

■準決勝

《タンゴ》
123番 落ち着いて踊り始めました。
185番 良く動いています。男性がお腹を出しそうになるのがやや気になります。
178番 形が乱れてきて、動きもやや硬くなってしまいました。
180番  形がありません。
221番  落ち着いて動けていますが、少し男性の右側が固まりそうになっています。
205番  動きの強さが不足しています。

《スローフォックストロット》
全員踊り始めのタイミングなどはかなり甘いため、焦らずに動いていくことが重要になり
ます。

188番  少し動きがつまり気味です。フットワークをはっきり使い分ける意識も持って欲し
    いところです。
178番  やや疲れた感じを受けます。
189番 首が曲がっています。口をあけすぎです。
205番  肩の感じは悪くないですが、競技会の見栄えの点ではもう少し肘の位置を上げた方
       が良いでしょう。

■決勝

《タンゴ》
213番  右肩が上がってきてしまっています。がんばろうとする感触が乱雑さにつながって
        きているのでしょう。
221番   安定して自分のペースを守っています。
123番   フレームのずれはありますが、全体的には落ち着いてよく動いています。
205番   もう少し強く動いてほしいところです。 
185番   良い状態で準備して踊り始めたのですが、右回転するたびに男性の首が前に入り、
    左サイドが抜け気味になります。
188番   がんばって踊ろうという気力が見えてきません。
189番   やはり少々消極的な印象です。

《スローフォックストロット》
213番  良く踊っていますが、ボディのよれた状態が目につき始めています。
123番   落ち着いてよく動いています。
221番   落ち着いて踊れていますが、やや男性の頭が前にかぶってきそうです。
205番   疲れたのか枠がなくなりそうになってきています。
185番   同様にコントロールを失い気味です。
188番   消極的に見えます。
189番   枠がなくなりました。首、顔の周りをすっきり見せられるように注意してください。

全体的にタンゴでは「ガニマタ」の男性、首が前に出ている男性が目立ちました。
女性もプロムナードポジションで左足が左側に開いてしまっていることが多く見られます。

スローフォックストロットではライズアンドフォールが乱雑で、動きの伸びがイメージされ
ていません。
フェザーフィニッシュをはっきり見せられるように意識して練習すると良いと思います。

予選の段階では髪をセットしていないため、バラバラさせたまま踊っている女性がかなり見
受けられました。趣味・センスの問題、なのかも知れませんが、個人的にはあまり好きでは
ありません。

男性の髪型もあまり気を遣っているようには見えない方が多く見られます。競技会は日常と
は違うのですから、思い切ってしっかり決めた髪型にでもしてみて、ダンスの雰囲気を良い
ほうに変えてみてはいかがでしょう。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
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